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2018/02/06
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先輩の卒論体験記

満足度

卒論の出来栄え(できばえ)に満足した人はどの位いるか?

卒論に取り組んだ先輩の中で
自分の卒論に満足したと答えた人(「とても満足」、「まあまあ満足」の計)は何割位いるだろうか?

約5割が「満足」と回答。だが、約3割の人達は不満を残している

  • 一番多いのが「まあまあ満足」で約3分の1。
  • 「とても満足」と合わせると約半数が満足している。
  • だが、不満を残している層も約3割存在している。
  • これから卒論に取り組む諸君にとり、彼らがどうして不満だったのかを探る事は、貴重な示唆をもたらすだろう。

頑張り度合

卒業論文への自分なりの力の入れ具合はどの程度だったか?

卒論に取り組んだ先輩の中で
卒論への取り組みで頑張った人(「とても頑張った」、「頑張った」の計)は何割位いるだろうか?

約6割が「頑張った」と認識。だが、約2割は「手を抜いた」と 自覚している。

  • 一番多いのが「頑張った」で約3分の1。「とても頑張った」と回答した25%と合わせると約6割が卒業論文に力を注ぎ、頑張った事がわかる。
  • 一方で、「少し手を抜いた」、「結構手を抜いた」と層も約2割程存在している。
  • 前問の満足度と比較してみると、頑張った割合に比べて出来栄えの満足度はやや低めである。頑張ったが満足できなかった人たちが存在する。彼らがなぜ満足できなかったのかを知ることは満足のいく卒論の取り組み方にヒントを与えてくれるはずだ。

テーマ決定時期

卒論のテーマが決まったのはいつ頃か?

卒論に取り組んだ先輩の中で
「卒論のテーマが決まった」時期として一番多くあげられたのは何月だろうか?

一番多いのは「3年の秋」。約20%が卒論テーマ を決定している!
その次は「4月」。だが、直前まで決まらない人もちらほら・・・

テーマ決定時期(単月・累積)

  • 一番多いのが、3年の秋。約2割の人が既に決定している。
  • その後は、4月がピークになっているが、9月以降の人もちらほらいるようだ。
  • 累積で見ると、約半数の人が4月までにはテーマを決めている。

取組み開始時期

卒論に取り組み始めたのはいつからか?

では、「卒論に取り組み始めた」時期として
累積で約半数の人たちが取り組みを始めたのは何月だろうか?

累積で半数の人が取り組み始めるのが「6月」。
だが、単月ベースでみると、「10月」から始めるという回答が第3位の多さ。

卒論スタート時期(単月・累積)

  • 卒論に取り組み始めた時期は、テーマ決定からは若干遅れている。間をおいて取り組み始めている。
  • 3年生の秋と、4月からという人が単月では多く、その後は10月までばらついている。
  • 累積で見ると、約50%の人が6月には取り組み始めている。

正味制作期間

卒論の正味の制作期間はどの位か?

「卒論の制作に要した正味の期間」について、一番多かったのは、どの位の期間だろうか?

「3ヶ月」と回答した人が「2ヶ月」に比べわずかの差で上回り 、一番多い。

卒論制作正味期間

  • 1年前から取り組み始めても、正味で卒論に取り組んでいた期間は短かったりするものだ、そこで、この質問を加えてみた。
  • すると、多いのが、「2ヶ月~3ヶ月」であった。だが、それ以上かけている層もそれなりに存在している。6ヶ月以上かけている層も2割強。
  • 一方、数週間~1ヶ月という層も足し合わせると約2割程度存在している。短期集中すれば結構早くできるのか。切羽詰まってやりきったということか?

大変だったこと

卒論で大変だったのはどのステップか?

卒論で大変だったのはどのステップか、四つのステップに分けて聞いてみた。
どのステップが、「大変だった」という声が一番多いだろうか?

大変なのはやはり「調査・分析」ステップ。「テーマ探索」は割と楽に決まるようだ。

  • ステップは上記にあるよう、「テーマ探索」→「情報収集」→「調査・分析」→「執筆」 の四つ。
  • 「テーマ探索」以外は約7~8割が「大変である(大変、とても大変)」と回答。
  • 尚、ここで言う「大変である」は、「能力的に追いつかず大変」というよりも、「それだけ頑張った」と解釈される。

詳細分析

満足のいく卒論を書き上げるためのポイントを探る!

自分が書き上げる卒業論文の出来に自分自身が満足する為には、どうすればよいのか?
不満を残さない為には何に気をつけるべきか?

頑張った人は満足しているという当たり前の事実。不満が残ったのは“手を抜いた”人

  • “とても満足”している人は、やはり“とても頑張った”人である事がわかる。
  • 一方、出来栄えに不満を持っているのは自分で“手を抜いた”という認識を持っている層である。

“頑張った”の意味の解釈

「頑張った」人と「手を抜いた」人の違いは何か?

違いその1

「頑張った」を定量的にみると、“2ヶ月以上正味制作に費やした”事と推察できる。
つまり、早めに取り組み、最低2ヶ月以上は時間をかける事が重要である。

  • 上の図は、制作正味期間別に、頑張り度合を二つの層に分けてその構成比分布をみたものである(二つの層とは、「とても頑張った」+「頑張った」の「頑張った」層と、「少し手を抜いた」+「結構手を抜いた」の「手を抜いた」層である。「普通」と回答した層は省いてあるため足しても100%にならない)。
  • この結果をみると、「頑張った」層と「手を抜いた」層の差が出るのが、2ヶ月以上の所であり、「頑張った」とは正味制作期間に2ヶ月以上掛ける事を意味していると考えられる。
  • やはり、早めに取り組み、きちんと時間をかけて制作する事が重要である。

違いその2

次に、定性的・質的にみると「手を抜いた」人は、「情報収集」や「調査・分析」にまじめに取り組まなかった人ということがわかる。
「手を抜いた」人は特に「情報収集」がおろそかになっているようだ。

  • 上の図は、卒論の各ステップ毎の苦労度合い(前出)の割合より、「頑張った人」と「手を抜いた人」それぞれが、どの程度各ステップで、真剣に取り組んだかをみたものである。
  • 各ステップ毎の折れ線の縦軸(%)は「とても大変」+「大変」と答えた割合を示したものであり、どの程度、真剣に取り組んだかをみている(二つの層とは前頁と同じく、「頑張った」層は“とても頑張った”+“頑張った”、「手を抜いた」層は、“少し手を抜いた”+“結構手を抜いた”の計である)。
  • 結果をみると、「手を抜いた」層では、情報収集ステップで「大変だった」割合が他のステップに比べて一番低く、特に「情報収集」にまじめに取り組まなかったという事が伺える。

2ヶ月以上正味で取り組めば、「頑張った」「満足」か?

正味制作期間が2ヶ月以上であっても、不満が残っている層が2~4割と高い割合で存在している。
彼らは何故不満を残したのだろうか?

不満その1

  • これまでの結果より、卒論の出来栄えに「満足する」大きなポイントは「頑張っている」事であり、「頑張っている」という事は正味制作期間を一定以上かけたということがデータより読みとれた。
  • しかしながら、上記の図をみると、正味制作期間を2ヶ月掛けている層でも、卒論の出来栄えに約4割が満足していない事がわかる。3ヶ月以上でも3割程度は満足していない。
  • 早めに取り組み時間をきちんとかける事に加えて、時間だけではない別の要因が存在しているようである。

不満その2

また、先ほど提示した下の図をみても、「頑張った」にも関わらず「不満」を残している層が存在している。
ここに落とし穴が存在する可能性。

2ヶ月以上かけて「頑張った」にも関わらず「不満」である原因は何か?

2ヶ月以上時間をかけて頑張ったにも関わらず「不満」を感じている層は「情報収集」が大変なあまり「調査・分析」、「執筆」で息切れしてしまった可能性がある
2ヶ月以上時間を掛けると同時に、執筆への時間配分とテーマ設定をしっかり行う事が「満足」できる卒論を仕上げるためのポイントになる

詳細

  • 上の図は、卒論の各ステップ毎の苦労度合いの割合を、「○:頑張った層」、「△:正味制作期間を2ヶ月以上かけて頑張ったが、不満だった層」、「×:不満な層」の三つに分けて、それぞれの特徴をみたものである。
  • この結果より、2ヶ月以上かけて頑張ったにも関わらず不満としている層(△印)は「情報収集」以外で「頑張った層」平均に比べて、取り組みの真剣さがやや劣っている事が伺える。
  • 具体的な要因としては、2ヶ月以上かけたが情報収集に時間をかけすぎてしまい、調査・分析そして、最後の執筆への時間配分がやや足りなかったというという事が考えられる。また、「テーマ探索」時にややテーマ設定が甘かった事なども考えられる。

結論:詳細分析から解ったこと

詳細分析の結果を「単純化」して記述すると以下のようになる

詳細

満足度 頑張り度 正味制作 期間 ステップ別 解ったポイント
満足 頑張った 2ヶ月以上 △○○○ 2ヶ月以上時間をかけ、 頑張った人は満足!
不満足 頑張った 2ヶ月以上 ▲○▲▲ (但し例外も・・・) 時間配分に注意! 執筆前に息切れしないように 甘いテーマ決定にも注意
手を抜いた 2ヶ月未満 ▲▲▲▲ 2ヶ月以上時間をかけて 準備・制作する事 情報収集に手を抜かない事
  • 満足のいく卒論を書き上げるには最低2ヶ月以上制作に時間をかけて、情報収集をしっかりやることがポイントになっている。
  • だが、時間をかけて頑張っても、時間配分を誤ると執筆に力を割けず、不満が残る事になるので要注意。
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